剣客群像です。

女武芸者の佐々木留伊が、夜の町に出没して<辻投げ>をおこなうのも、つまるところは、男を漁り男を得、子を生み妻となり母となりたいがためのことなのである──という書き出しで始まる「妙音記」は、美しく強い女の人生の転機をユーモラスに描いている。
ほかに試合で負けたものは勝者の弟子になるという、奇怪な申し出で闊歩する男たちを描いた「秘伝」など、小気味よい江戸の日常を背景に、エロスに根ざす人間の欲望を個性ゆたかな剣客の姿を機智をもってとらえた七篇。
「石田三成領地の鉄砲鍛冶を、我が味方につけよ」関ヶ原合戦前夜、徳川家康の密命の下、近江国国友村に潜入した美男美女ぞろいの伊賀忍者十名は、迎え撃つ石田方の甲賀者と死闘をくりひろげる。
驚天動地の超絶忍法<蝿達磨><枯葉だたみ><穴よろけ>……。
しかし、本当の困難は甲賀者との死闘の後に待っていた。
味方につける鉄砲鍛冶たちは、ひと癖もふた癖もある異常性欲者で、伊賀忍者は性の秘術のかぎりをつくして務めを果たす。
「忍法天草灘」「忍法甲州路」などを併録。
廃止の決まった寝台列車「天の川」に乗車し、惜別の思いをこめて体験ルポを書いていたベテランライターが殺される。
しかも、あるはずの原稿は列車の写真とともにどこかへ消えていた。
警視庁の十津川は事件解明のカギは彼のルポにあると推理するが、その矢先に彼の恋人が車にはねられる。
いっぽう、横浜では女性の殺害され、白骨化した死体が見つかった。
一見、関連がないかに思えた事件だったが、神奈川県警が拘留した容疑者は、死んだルポライターにアリバイを求めてきたのだった。
芦村節子は奈良の唐招提寺を訪ねたとき、その芳名帳に大戦中の外交官だった亡き叔父・野上顕一郎の独特な筆跡を見た。
名前は違っていたが、もしかしたら……という疑いが彼女の胸に湧いてくる。
野上未亡人・孝子とその娘久美子、節子の夫・亮一らは取り合わないが、久美子の恋人である新聞記者・添田彰一は、ある予感を受ける。
新聞記者・添田彰一は、恋人の野上久美子の父がまだ生きているのではないかという疑惑を確かめるため、ひそかに取材を始めるが、思わぬ抵抗に遭遇する。
そこには何が隠されているのか? 国際外交の舞台裏と絶ちがたい骨肉の愛が交錯し、そこに殺人事件が発生する。
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